2015年 02月 14日
ビートルズで英語を学ぼう |
林育男 講談社文庫
英語塾を手掛けている著者のビートルズに対する愛情がとても強く伝わってくる。中学生英語文法の範囲で解説しているが、その視点は教科書風の一般的なものではなく、とても頭に入りやすい体系に則ったもの。英語が苦手だった社会人でも「この考え方でもう一度ざっとやってみようかな」と思わせる。また解散寸前の時期に出した曲の裏話などのネタもおもしろい。教科書風にキーワードの訳を注として示しながら各曲の歌詞を取り上げているが、ほんの一部なので歌詞を意識しないで聴いていた曲では特に「どの辺なのか」が非常にわかりにくい。少なくともサビを意識しやすいワンコーラスは引用してほしかった。
言語は文化を表す。日本語にない表現、例えば「完了形」や「仮定法」といったものは英語圏の「時間」や「想像」というものに対する考え方を示しているように思う。日本人以外の人達も日本語の特徴を示すもの、例えば「敬語」や「一人称」の豊富さに興味を持っているのではないだろうか。
社会人になって教科書ではない英語関連の書籍を読んでみると、語学の体系には様々なものがあることがわかる。学生時代に習っていたことは「一つ」の考え方に過ぎないのだ。そしてなによりも痛感したことは、それぞれの体系どれを身につけてもそれだけでは英語の読み書き会話はなかなか上達しないということ。決めてとなるのはやはりどれだけの語彙を持っているかということではないか。日本語においても、文法に長けているだけでは専門用語満載の本はなかなかスムーズに読み進めていくことは難しい。多少複雑な英文でも単語を知っていればスラスラ読めるし、逆にインターネット上の簡単な指示文でも知らない単語であれば意味が感覚的に伝わってこない。当たり前のことではあるが、いかに直感的に身についている言葉をどれだけ知っているかによって、その情報収集能力には大きな差が出てくるのである。いかにして、ボキャブラリーを仕入れることができるレベルに英文を読めるようになるか。これがポイントである。
[そうなると、もう英語嫌いとなって、どうしようもなくなる。現在完了だとか関係代名詞だとかは普通の日常英語では使われっこない、などと思い込んでしまうのだ。決して、そんなことはないのだから、今、英語が嫌いな諸君は、なんとしてもこの機会に英語に親しむべきだ。きみの嫌いな文法事項を、あのビートルズが実にたくさん使っているではないか。](p.140)
英語塾を手掛けている著者のビートルズに対する愛情がとても強く伝わってくる。中学生英語文法の範囲で解説しているが、その視点は教科書風の一般的なものではなく、とても頭に入りやすい体系に則ったもの。英語が苦手だった社会人でも「この考え方でもう一度ざっとやってみようかな」と思わせる。また解散寸前の時期に出した曲の裏話などのネタもおもしろい。教科書風にキーワードの訳を注として示しながら各曲の歌詞を取り上げているが、ほんの一部なので歌詞を意識しないで聴いていた曲では特に「どの辺なのか」が非常にわかりにくい。少なくともサビを意識しやすいワンコーラスは引用してほしかった。
言語は文化を表す。日本語にない表現、例えば「完了形」や「仮定法」といったものは英語圏の「時間」や「想像」というものに対する考え方を示しているように思う。日本人以外の人達も日本語の特徴を示すもの、例えば「敬語」や「一人称」の豊富さに興味を持っているのではないだろうか。
社会人になって教科書ではない英語関連の書籍を読んでみると、語学の体系には様々なものがあることがわかる。学生時代に習っていたことは「一つ」の考え方に過ぎないのだ。そしてなによりも痛感したことは、それぞれの体系どれを身につけてもそれだけでは英語の読み書き会話はなかなか上達しないということ。決めてとなるのはやはりどれだけの語彙を持っているかということではないか。日本語においても、文法に長けているだけでは専門用語満載の本はなかなかスムーズに読み進めていくことは難しい。多少複雑な英文でも単語を知っていればスラスラ読めるし、逆にインターネット上の簡単な指示文でも知らない単語であれば意味が感覚的に伝わってこない。当たり前のことではあるが、いかに直感的に身についている言葉をどれだけ知っているかによって、その情報収集能力には大きな差が出てくるのである。いかにして、ボキャブラリーを仕入れることができるレベルに英文を読めるようになるか。これがポイントである。
[そうなると、もう英語嫌いとなって、どうしようもなくなる。現在完了だとか関係代名詞だとかは普通の日常英語では使われっこない、などと思い込んでしまうのだ。決して、そんなことはないのだから、今、英語が嫌いな諸君は、なんとしてもこの機会に英語に親しむべきだ。きみの嫌いな文法事項を、あのビートルズが実にたくさん使っているではないか。](p.140)
by bbex214183
| 2015-02-14 06:50
| 書評